テラ散歩

Vol.0

テラコーヒーのコーヒーの話

第2回だけれど、vol.0。なぜなら今回は、いちばん基本の話。
テラコーヒーが、コーヒーロースターとして大切にしていること。
つまり、テラコーヒーが最も大切にしていることをお伝えします。
ボス曰く、「それは、おいしいコーヒーを“知る”“つくる”“伝える”こと」
・・・・ってなんだかシンプルすぎて、一体どういうこと?!

テラコーヒーのコーヒーの話

色、香り、豆が“はぜる”音などを
細かくチェックし、毎分記録をとっていく。

テラコーヒーの朝は、おいしいコーヒーを「つくる」、すなわち焙煎から始まります。焙煎は機械でおこないますが、ただ豆を入れておけば良いわけではありません。どんな風に焙煎するか計画し、焙煎機の中でどんな状態になっていくかを想像して、色、香り、豆が“はぜる”音などを細かくチェックし、毎分記録をとっていく気を抜けない作業です。

絶妙なタイミングで焙煎機の蓋をあけると、こんがりといい色になった豆が流れ出てきます。ひとつの豆が終わったら、すぐにまた次の種類の豆。いちどにたくさんの量を焙煎することも可能ですが、コーヒー豆は鮮度がとても大切ですから、テラコーヒーでは販売量に見合うぶんだけ、毎日こまめにこつこつと焙煎しています。

それぞれの豆の個性と魅力を
最大限に引き出す焙煎を。

もちろん、すべての豆を同じようにローストしているわけではありません。どの産地の、どんな特徴をもった豆だから、どう味をつくるか。生産国だけではなく、地域や気候、標高、土壌、生産者までを把握し、豆の品種や精製方法もふまえて、それぞれの個性と魅力を最大限に引き出す焙煎を目指し、時間や温度を細かく調整していきます。

その判断は、ボスたちの毎日の焙煎やテイスティング、そして長年の経験のたまもの。コーヒーを「知る」とは、そんな日々の積み重ねであり、それが次の「つくる」へと、きちんとつながっているのですね。

味に影響を与えてしまう
異物や欠点豆を手作業で取り除く。

焙煎が終わった豆を待つのは、「ハンドピック」。ほんの少しでも紛れ込んでいると味に影響を与えてしまう異物や欠点豆を取り除く大切な作業です。テラコーヒーではそのすべてを手で行うため、地味だけれど根気のいる孤独な仕事でもあります。

もしもお店でお客様に背を向けうつむいてゴソゴソしているスタッフがいたら、それはきっとハンドピッキング中ですから、ちょっとだけあたたかい目で見ていただけると、マメンデスも喜びます。

飲んでみないとわからない、
そのワクワクが魅力。

ところでボス、焙煎の醍醐味って?「コーヒーは、焙煎して飲んでみないとわからない、そのワクワクが良いんだよ。この仕事は何年やっていても同じことがない。その年の豆の出来によっても、毎年ちがう味になる。ちょっとがっかりすることもあるけれど、おいしくなるととても嬉しい。とくに新しい豆を初めてローストして味を見る瞬間はいつも楽しみだよ」

なるほど、おいしいコーヒーを「知る」「つくる」、それはそんな好奇心にも支えられているのですね。

テラコーヒーの「テイスティング」の話

自分たちの提供する
コーヒーの個性を「知る」。

テラコーヒーが扱う「スペシャルティコーヒー」は、世界中のすべてのコーヒーのうちの約5〜7%程度。条件の整った場所で栽培され、きちんとした環境と方法で精製し、厳しい香味チェックによって「際立った個性を持つ」と認定されたコーヒーだけがそれを名乗ることを許されます。

「コーヒー屋にとっても、香味チェックはもっとも重要な仕事」とボス。自分たちの提供するコーヒーの個性を「知る」ことは、より良いコーヒーをつくることにも、お客様に喜んでもらうことにもつながる、すべての基本です。だからテラコーヒーでは、「テイスティング」による香味チェックを毎日欠かさずおこなっています。

数種類の豆を同じ条件で飲み比べ、
味や香りの評価をしていく。

テイスティングとは、数種類の豆を同じ条件で飲み比べ、味や香りの評価をしていくもの。先入観なく取り組めるよう、ブラインド(豆の名前を伏せる)でおこないます。

ガスを抜くために焙煎後24時間以上置いた4種類の豆を粉に挽き、まずは「フレグランス(粉の香り)」をチェック。お客様が飲むときと同じ条件をつくるため、抽出はペーパードリップでおこない、いよいよ「テイスティング」。仕事の合間をぬって、スタッフ全員が参加します。

大事なのは
「自分がどう感じたかを言葉にする」こと。

香り、酸味や甘みの種類、クリーンさ、バランス、舌触り、余韻、冷めてからの印象・・・ひとつひとつのコーヒーを丁寧に確かめては、各自ノートにメモしていきます。ボス曰く、まず大事なのは「自分がどう感じたかを言葉にする」こと。よりどころになるのはコーヒーの味を表現する語彙が一覧になった「香味ホイール」です。酸味は酸味でも、柑橘系なのかベリー系なのか。甘みならばチョコレートか、はちみつか、キャラメルか、などなど・・・ざっと百以上の単語の中から、自分の感覚を適切な言葉に置き換えていくうちに、次第に自分なりのボキャブラリーが築かれていくのでしょう。

ふむふむ、コーヒーを「知る」と「伝える」の間にある、言葉にならない感覚を言葉にしていく作業って、コーヒー屋という仕事の知られざる真髄なのかもしれません。

コーヒー屋は
「表現する」「話す」仕事でもある。

スタッフは順番に、味の印象と、どの豆かの予想を発表していきます。なんだか緊張しながら見守ってしまうマメンデスですが、「正解かどうかは重要じゃない」とボス。「まわりの人がどう感じたかを聞くことが大事。そしてそれを共通認識に落とし込むこと、お客さんに伝えること」・・・つまりコーヒー屋は「表現する」「話す」仕事でもある?「そうそう。豆の魅力をちゃんと伝えることができて、お客様に『それ、飲んでみたい!』と言っていただけたときが、嬉しいんだよ」。

もちろんテイスティングの結果は次の焙煎へと反映させます。そうして日々微修正を繰り返しながら、コツコツと、今日もコーヒーをつくっているのです。

テラコーヒーの「カッピング」の話

世界共通ルールによる
厳格な香味チェック。

コーヒーの味を確かめるさらに専門的な方法として、「カッピング」があります。産地での買付けや国際的な品評会などで行われる、世界共通ルールによる、より厳格な香味チェックです。誰がやっても同じ味になることが求められるため、抽出器具による味への影響のない方法がとられます。それは、粉にしたコーヒーに直接お湯を注ぎ、粉が底に沈み分離するまで4分間待つというもの。その後、表面にまだ浮いている粉とアクをスプーンでなぞって壊し、まずはアロマを嗅ぎます。表面のアクや粉をすくって捨てたら、スプーンからすするようにして味見し、点数をつけていきます。

テラコーヒーでも月に一度程度はやっていますが、今後もっと回数を増やしていこうと考えています。

「知る」、「つくる」、「伝える」。
ボスの言った3つが実はとても奥深いのはもちろん、
それらがバラバラな作業ではなく、つながりあって、
特別な一杯が生まれるのですね。

「おいしいコーヒーってなんだろう」。
いつも、いつまでも、そう問い続ける気持ちを、
マメンデスも忘れないようにしなければと
心に刻んだのでした。

Thank you for reading this to the end.
Don't miss the next episode.

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