Vol.2
第一回のテーマは、テラコーヒーのお店で味わえるスイーツ。
ボスいわく「本業はコーヒー屋だから…」と、
これまであまり語られることがありませんでしたが、
実はスイーツを目当てに来店する方もいらっしゃるほどの人気者なのです。
その秘密を、わたくしマメガエルがご紹介いたします。
スコーン、クッキー、マフィンにチーズケーキ。テラコーヒーのスイーツは、そのほとんどが「焼きっぱなし」と呼ばれるような素朴なもの。お店の奥の小さなキッチンで、毎日手づくりしています。でもボス、そもそもどうしてお菓子をつくれるんですか?
「代官山の洋菓子店『イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ』で、本格的なフランス菓子をひととおり学んだんです。会社員時代、そのお店の教室に3年間通っていて。会社を辞めてコーヒー屋の開店準備をしている間に3ヶ月、さらにみっちりと修行しました」そんなにちゃんと勉強していたなんて、執事のマメガエルも知りませんでした!
修業時代から、最も大事に受け継いでいること、それは素材選びです。たとえば小麦粉は、クッキーにはフランス産、マフィンやスコーンには北海道産と、お菓子によって使い分けます。卵は九州から、植物性の飼料で育った鶏のものを。フィナンシェやタルトのクリームに使うアーモンドは、メジャーなアメリカ産ではなく、風味豊かなスペイン産のマルコナ種。ガトーショコラのチョコレートやティラミス用のココアパウダーは、フランス製、カカオ66%の「クーベルチュール・アメール・オール」。ひとつひとつ味に納得がいくものを。そこに妥協はありません。
素材にこだわる理由について、ボスはここでも「本業はコーヒー屋だから…」と言います。「ケーキ屋じゃないから、主役になるような本格的なお菓子はつくらない。けれど本業のコーヒーのおいしさを追求しているからこそ、スイーツもちゃんとおいしいものにしたいと思いました。だからシンプルで、素材はいちばんいいものにしようと。素材の味で、お菓子は全然違うものになるから」。
テラコーヒーのスイーツが大切にしているのは、コーヒーに合うこと、シンプルなこと、そして、おいしいこと。一見どれも単純だけれど、そんな思いから生みだされたものだったのですね。
スイーツのレシピをつくるのもボス自身。修行時代に身につけた基本をもとにアレンジしていきます。シンプルなレシピだけれど、どれも隠し味や秘密のひと手間があり、それが味の決め手となります。企業秘密ですがひとつだけ、たとえばパンナコッタにはとあるリキュールを入れているそう。
何度試作しても納得のいく味ができず、お蔵入りしたものもたくさんありますが、いつも新しい商品を考えてチャレンジしているのは、お客さんが喜んでくれるから。たとえばレモンやリンゴなどを使った季節ごとのお菓子は、新作を楽しみに待ってくださっている方も多いんです。
「自分でも、スイーツがこんなに評判になるとは思わなかった」とボス。バナナマフィンやスコーンは、「今まで食べたどこのものよりもおいしい」と言っていただいたこともあります。「ちゃんとまじめにつくってるからかな。大量生産ではなく手づくりで、毎日ていねいに」。
ボス、わたくし気づきました。それって「いい豆を仕入れて、毎日こつこつ焙煎する」コーヒーに対する姿勢と同じではないですか!スイーツのおいしさを通して、コーヒーの魅力も一層伝わるといいなあと、マメガエルは思います。みなさま、ぜひお店に来て味わってください。もちろん、コーヒーもご一緒に。
Thank you for reading this to the end.
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